飲食店経営で新メニューを開発する際には、集客が期待できそうなメニューを考えていくことが大切ですが、それに加えて利益率が高いメニューも同時に作り、きちんと利益を出せるようにバランスをとっていく必要があります。
利益率が高いメニューを作るには、原価の高い食材の使用を極力控えて原価が低い食材をメインにした料理を作る必要があります。
これは一見ハードルが高く感じるかもしれませんが、原価が低い食材は意外にも多くあり、少し工夫するだけで人気を集めそうな高利益を生み出すメニューを作ることが可能です。原価の低い食材を上手く活用して、利益率UPを目指していきましょう。
そこで今回は、飲食店の原価率が低いメニューをご紹介します。
目次
原価率とは?
飲食店では、人件費、物件費、水道光熱費等、毎月様々な経費が発生しますが、中でも大きな割合を占めるのが材料費です。
メニューの価格を決める際には「販売価格-原価=利益」のように、利益が出るよう価格を設定する必要がありますが、価格を決める前に考えておきたいのが原価率です。
原価率とは、売上高原価率の略称で、売上に対する仕入れた食材の値段の割合を原価率として表します。
例えば、400円で仕入れた食材で1,000円のメニューを作った場合、原価率は40%となり、この場合、計算式は「原価 ÷ 売価 × 100 = 原価率」となります。
飲食店における原価率は、平均30%を指標に設定していると言われていますが、飲食店の業態によって原価率の平均は大きく異なり、中にはほとんどのメニューを50%~60%に設定している飲食店もあります。
販売価格を高くすれば、その分原価率を抑えることもできますが、あまりに高すぎると注文自体が入らなくなってしまう為、バランスとりながら考えていかなければなりません。
メニューの値段は、料理の品質と同じぐらい顧客満足度にも影響してくるため、なるべく適正な金額を設定するようにしましょう。
利益率をUPするにはマージンミックスが鍵!?
利益率を上げるため多くの飲食店が行っている戦略の1つに「マージンミックス」と言う手法があります。
マージンミックスとは、原価率の高い商品と原価率の低い商品をセットで販売することで、全体の原価率の調整を行う手法です。
例えば有名ハンバーガー店では、原価率が高いハンバーガーを目玉商品として販売しており、ハンバーガーのみの注文の場合、利益を出しにくくなってしまいますが、原価率の低いフライドポテトやソフトドリンクと一緒に注文してもらうことで、適正な利益を出せるようになります。
そのため、原価率が高いメニューと原価率が低いメニューを一緒に注文してもらえるようにお客さんを上手く誘導できるかどうかが利益率UPの鍵となります。
マージンミックスを応用して、安定して利益を確保できるよう取り組んでいきましょう。
原価率の低いメニュー6選!
原価率の低いメニューと聞くと、ファストフードのフライドポテトが有名ですが、その他にも原価率の低いメニューは数多く存在し、新たなメニューを開発する際には、原価率の低い食材を把握しておくことで、利益を出しやすいメニューをスムーズに作れるようになります。
そこで、飲食店の心強い味方でもある原価率の低いメニューをご紹介します。
1.ポテトサラダ
サラダの王道であるポテトサラダは、サラダの中でも幅広い層から人気が高く、おつまみとしても高い人気を誇ります。
ポテトサラダに使用している食材は、どれも原価が低く、さらにアレンジもしやすいため、卵を加えたものやチーズをかけてグラタン風にしたりと、ポテトサラダをベースにした料理をいくつか展開することで、メニューの品数を手軽に増やすことも可能です。
自家製で作るとより利益を出しやすいですが、出来合い品(調理済み加工品)でも原価は比較的安いため、調理時間を確保できそうに無い場合は、出来合い品の仕入れを選択肢の1つとして考えておくのもいいでしょう。
他にも、ポテトコロッケやジャーマンポテトなど、じゃがいもをメインに使ったメニューはどれも原価率が低く、サイドメニューに多く取り入れることで利益率の向上が期待できます。
2.ペペロンチーノ
オリーブオイル、にんにく、唐辛子のぴりっとして香ばしい風味が食欲をそそるペペロンチーノは、使用する食材がとても少ないことから、数あるパスタメニューの中でも特にコスパが良いものとして知られています。
最近ではシンプルなペペロンチーノだけでなく、様々な具材を加えた付加価値の高いメニューも人気が高く、特に野菜を加えたペペロンチーノは健康志向の方から高い支持を得ています。
具材を増やすと原価率が高くなるものの、その分価格を少し高めに設定することで、利益を確保することが可能です。
3.ピザ
使用する具材にもよりますが、メインのメニューにも関わらず原価率の低いメニューとして知られるのが「ピザ」です。
ピザは基本的に、小麦粉、チーズ、ソース、トッピングの具材さえあれば作れてしまい、マルゲリータなどのトッピングが最低限な種類のピザの場合、チーズや小麦粉を安く仕入れることができれば、かなり原価を抑えることが可能です。
居酒屋からカフェまで、お店のジャンルやコンセプトに関係なく提供しやすいので、新規メニューの開発に迷った際には、ピザを取り入れてみるのもいいかもしれません。
4.餃子
「餃子(ぎょうざ)」はシンプルに見えても意外に多くの食材を使用しており、一見コストがかかりそうに思えますが、出来合い品の餃子なら、短時間で調理できる上、さらに原価も比較的安いため、手軽に人気メニューを作ることができます。
近頃、餃子専門店が増えて来ているのは、餃子が他の料理よりも儲かりやすく、利益を出しやすいことも理由として挙げられ、餃子メニューを強化することで売上UPにつながるかもしれません。
5.ショートケーキ
女性やお子さんの集客を強化する為にスイーツメニューを増やしたいと考えているなら、「ショートケーキ」がおすすめです。
ショートケーキはスポンジケーキの割合が多く、生クリームはそこまで大量に使用しなくて済むことから、ケーキの中でも原価率が比較的低めです。
いちごを使用すると原価が高くなりそうにも思えますが、いちごの代わりに季節の果物を安く仕入れるなど工夫をすることで、コストを抑えることができます。
ちなみに出来あいの冷凍ケーキも各種売られており、意外と高くないこと、自分でカットするタイプと一人前のポーションタイプなどがあって種類も豊富なのと、作る手間がなくロスも最低限にできるメリットがあります。これを上手に取り入れることでメニューを増やすことができ、特に居酒屋ではスイーツの種類が多いと女性客の集客に役立ちます。
6.アイスクリーム
ショートケーキに続いて、おすすめのスイーツが「アイスクリーム」です。
業務用の大容量サイズのアイスクリームは原価が他のスイーツよりも安価で、さらにお皿に盛り付けるだけと言う手軽さも魅力的です。
特に暑い時期は飛ぶように売れるので、高利益を狙うことができます。
冷凍庫のスペースに余裕があれば、人気の安定したバニラやチョコ、抹茶などのいくつかのフレーバーを仕入れるのがおすすめで、さらに他の原価が安い食材と組み合わせた小さなパフェのようなスイーツメニューを開発するのもいいかもしれません。
アイスクリームは冷凍庫さえあれば長期保存が可能なので、傷むのを気にしなくても良いと言うメリットもあり、食品ロスの軽減にもつながります。
仕入れ先の見直しで原価率が下がる!?
食材を安く仕入れることができれば、その分原価率を抑えることができます。
そのため、仕入れ先探しが重要になりますが、メニューに使用する食材を仕入れる際には、その都度仕入れるのも面倒な為、卸業者と長期契約を結んで仕入れていると言う飲食店も多いのではないでしょうか。
確かに卸業者からの仕入れは、一度契約することで安定して食材を調達できるメリットがありますが、契約した当時は最安値だったとしても、現在は当初よりも仕入れ価格が高くなっている食材もあるため、定期的に仕入れ先を見直すことで、現在よりも原価率を下げられるケースもあります。
そうした仕入れにまつわるデメリットを感じないですむよう新たな仕入れ先を探したいと言う方におすすめなのが『BtoBプラットフォーム 商談』です。
『BtoBプラットフォーム 商談』は、国内最大級の食品のマッチングサイトで、飲食店、小売店、ホテル、食品メーカー、食品卸など9,000社以上の企業が参加しています。
登録すると様々な機能を利用することができ、中でも新たな仕入れ先を探したいときに便利なのが「仕入れコストダウン機能」です。
この機能では、現在仕入れている食材の商品名と仕入れ価格を登録すると、BtoBプラットフォーム 商談に登録された約10万品の商品から登録内容に近い商品が自動でマッチング結果に表示されます。
マッチングした商品から最安値の商品を簡単に調べることができ、一覧に表示された商品を比較することもできます。
また、平均的な価格も調べられるので今仕入れている食材が適正価格か知ることもでき、マッチング結果からすぐに仕入れ先を見直すことが可能です。
さらにもう1つ便利な機能が「募集情報の自動マッチング」です。
この機能では、仕入れたい商品や取引したい企業の情報などを募集情報として登録すると、自動マッチングが行われ、条件にマッチした商品や売り手企業が即座に表示されます。
それだけでなく、募集情報を元にマッチングした売り手企業からPRや提案が届くことがあり、自分で検索して商品や企業を探さなくても、待っているだけで欲しい情報が自動で集まるようになります。
募集情報を登録しておくことで、思い掛けない商品に出会えることもあり、仕入れ強化につなげることが可能です。
様々な便利な機能が満載の『BtoBプラットフォーム 商談』を活用して、より効率的な仕入れを図ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、飲食店の原価率が比較的低いメニューについてご紹介しました。
原価率の低いメニューは、短時間で作れるものや出来合い品ですぐに提供できるものが多く、スタッフに負担をかけることなくメニューの品数を増やすことができるメリットもあります。
メニュー全体の構成を考える際には原価率の低いメニューを上手に取り入れるようにし、利益率UPを目指していきましょう。
監修者
アートアンドヘルスケア株式会社
代表取締役
『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。