全国各地のその土地ならではの香酸柑橘は30種類以上あると言われています。

日本人はどうしてこんなに香りのいい柑橘が好きなんだろう

柚子やスダチ、カボスをはじめとした香酸柑橘は、古くは飛鳥・奈良時代から日本人に親しまれてきました。柚子を塩と共にお酒のつまみとして利用していた記録が約1300年前の「続日本紀(しょくにほんぎ)」(771年)に残っています。西洋で親しまれてきたレモンが食用として利用され始めたのは西暦1000年頃と考えられています。それまではレモンが観賞用として栽培されていたことと比較すると、日本は西暦700年頃には香酸柑橘を味わう楽しみを知っていたことがわかります。

焼き魚などに爽やかな香りと酸味を加えることができ、より一層おいしさを味わえる香酸柑橘は、重宝される料理の名脇役です。
最近では揚げ物や洋風料理、サラダのドレッシングなどにも幅広く使われることで、香酸柑橘の活躍の場が広がっています。

香酸柑橘は皮の香りや果汁の酸味を楽しむ柑橘です。
果肉を食べるみかんやオレンジなどとは異なり、メインの料理の味を引き立てることで、味や風味を生かすことができます。
さらに冬へ向かって濃い緑色から黄色、オレンジ色と熟していく果実は、料理に彩りを添えることもできるでしょう。

日本で使われている香酸柑橘は30種類以上。
各地域に根付いた香酸柑橘があり、それぞれの地域の特産ともなっています。
代表的な柚子、スダチ、カボスだけでなく、レモンやシークワーサーなど、最近は全国区で人気がある香酸柑橘が数多くあり、大きさや香りなど個性的でいろいろな使われ方をしています。
香り高い香酸柑橘の皮を料理に散らしたり、すっきりとした酸味の果汁を料理に振りかけたりするだけでなく、加工品や調味料としても利用することが増えてきました。

日本全国各地に数多くの種類がある香酸柑橘にはどんな種類があるのでしょうか。
それぞれの産地や特徴を見ながら、香酸柑橘の楽しみ方を解説していきます。

香酸柑橘と日本人

日本人は、はるか昔から香酸柑橘を栽培し、料理に使用してきました。
中国が原産の柚子は飛鳥・奈良時代にはすでに日本に伝来していたといわれています。
約1300年前の「続日本記」(771年)には柚子についての記述があり、その頃から日本人は柚子を使っていたのでしょう。
スダチは1709年の貝原益軒が「大和本草」という書物に「リマン」という名前で紹介しており、日本で栽培されていたようです。
カボスは江戸時代に大分県の医師が中国の僧より苗木を譲り受け、臼杵市に持ち帰って栽培を始めたという言い伝えがあり、やはりこのころから日本で栽培されていたと考えられています。

他にも江戸時代には多くの香酸柑橘が伝わってきました。
インド北東部が原産の「仏手柑(ぶっしゅかん)」、ヒマラヤが原産の「だいだい」などは江戸時代にはすでに流通していたようです。
また現在、沖縄の特産品として人気のシークワーサーは南西諸島や台湾に昔から自生していました。

さまざまな地域で栽培されている香酸柑橘には、それぞれの地域にまつわる逸話があります。
例えば、高知県の柚子は昔から「酢みかん」という名前で親しまれてきましたが、柚子の栽培を推奨し、今に至る柚子産業の礎を築いたのが、坂本龍馬と共に薩長同盟の締結に奔走した中岡慎太郎でした。
土佐の北川村が災害にあい飢餓に直面していた北川村の人達は塩を手に入れることができず、味噌やしょうゆを作ることができなくなったのです。
そのことを知った中岡慎太郎は、村人に北川村に自生していた柚子を植えることを推奨しました。
柚子はさまざまな調味料の代わりに使えることから多くの人に受け入れられ、やがて北川村だけでなく高知県全体で柚子の生産が盛んになります。

このように日本人の食の歴史の中で、香酸柑橘はさまざまな彩りを加えてきたのです。

こんなに使われている香酸柑橘

香酸柑橘はあまり目立たない存在と思われがちですが、食のあらゆるシーンで使われています。
使われている量が多いので、それに伴って栽培されている量もとても多く、シーズンになるとたくさんの香酸柑橘が収穫されていることを知っていますか?
農林水産省の果樹に関する統計データを見ると、さまざまな柑橘類の集荷量がわかります。

例えば令和元年の調査で見ると、代表的な香酸柑橘の収穫量は他の柑橘類を上回っているものが多くあります。
香酸柑橘の代表格の柚子は23191.1トンを収穫しており、ほとんどのものが全国に向けて出荷されています。
柑橘類の中でも上位に入るくらいの収穫量で、柚子の人気の高さを感じることができるでしょう。
カボスは5858.9トンの収穫がありました。
これは最近人気の柑橘類「せとか」と同じくらいの収穫量です。
スダチは4211.5トンの収穫があり、需要が多くたくさん使われていることがわかります。
シークワーサーは2555トンの収穫。
収穫量を見るとシークワーサーも全国的な消費が定着していることが感じられるでしょう。

また九州沖縄農業研究センターの調査によると香酸柑橘の知名度はかなり高いという結果が出ています。
メジャーな柑橘類には劣るものの「沖縄シークヮーサー(69.9%)」「大分かぼす(36.3%)」・「広島レモン(33.1%)」と高い知名度を誇ります。

このように収穫量や知名度から見ても、日本でさまざまな香酸柑橘の人気が高く、いろいろなシーンで使われていることが感じられます。

柚子・スダチ・カボスだけじゃない、地域の特産品が全国へ進出中

日本で香酸柑橘と聞けば、柚子・スダチ・カボスを連想する人が多いのではないでしょうか。
しかし最近ではさまざまな香酸柑橘が地元の名産として売り出されています。
例えば広島県のレモン。
一昔前、レモンは輸入されたものがほとんどで、国産のレモンは高価なものがほんの少し流通しているだけでした。
現在は国産レモンが多く流通しており、その中でも広島県産のレモンは果実のままだけではなく、お菓子や調味料にも多く使われています。
また沖縄のシークワーサーも知る人ぞ知る沖縄県の香酸柑橘でしたが、いまや全国区の人気香酸柑橘です。
酸味の中に適度な甘みがあり、さわやかな香りが楽しめることから、料理のアクセントや調味料、お酒、果汁を薄めてジュースとしても販売されています。
他にも日本国内のある地域でしか栽培されていない香酸柑橘が各地にあります。
多くは柚子から分化したもので、それぞれの地域の庭先などに植えられ自分達だけで消費してきました。
しかしさまざまな技術が発達し、香酸柑橘の加工も急速に広まったことから、ストレート果汁や調味料、お菓子に利用するなど、形を変えて流通するようになりました。
インターネットでの販売や、各県のアンテナショップで購入できるケースが多くなり、一部地域でしか手に入らなかった香酸柑橘が全国で買えるようになっています。

日本で好まれている香酸柑橘の種類と産地

全国各地で地域に根差した香酸柑橘がありますが、その中でも全国区で人気になり、日本で好まれている香酸柑橘はたくさんあります。
どのような香酸柑橘が人気で産地はどこなのかを見ていきましょう。

柚子(高知県馬路村)

香酸柑橘といえば「柚子」と連想されるくらい、全国でさまざまな料理に利用されている人気の香酸柑橘です。
特産地の高知県ではユズの果汁は「柚之酢(ゆのす)」と呼ばれ、多くの家庭で常備される欠かせない調味料となっています。
同じく名産の鰹のたたきも「ゆのす」をかけて食べるそう。
ユズは中国が原産で、飛鳥・奈良時代にはすでに日本に伝来していたといわれています。
大きさは100~120g。
全国に流通しているので手に入りやすいため、飲食店をはじめとして多くの人になじみがある香酸柑橘でしょう。
最盛期は12月。
一般的に知られている黄ユズは秋から出回っていますが、皮がよく使われる青ユズが流通するのは初夏です。
また冬至の日におふろに黄ユズを浮かべて入る「ユズ湯」は昔からの日本の風習で、ユズ湯に入ったことがある人も多いのではないでしょうか。
ユズの特産地は高知県で、シェアは50%以上になります。
特に特産地として有名なのは馬路村です。
続いて徳島県、愛媛県、と四国でたくさん生産されており、さらに九州地方でも少し生産されています。

カボス(大分県)

見た目はスダチに似ていますが、少し大きめで酸味が強いのが特徴です。
焼き魚やふぐ料理、きのこ料理やてんぷらなどの風味付けとして利用されることが多く、特に皮が緑色の時期は風味が良いといわれています。
また果皮に独特の香りがあり、果汁の酸味がきいているので、ポン酢の原料としても有名です。
カボスの栽培は1960年代から増え始め、1980年代以降に生産量が大幅に増加しました。
収穫時期は9月~10月ごろ。
ただ現在はハウス栽培もさかんに行われており、貯蔵品も活用することで、1年中流通しています。
主な生産地は大分県で、シェアは98%以上を占めており、特産品として人気です。
他には宮崎県、福岡県、埼玉県、群馬県などで生産されています。

スダチ(徳島県)

スダチは比較的小さめの果実で重さは30~40g。
漢字で酸橘,酢橘,巣立,酢立,酢断などさまざまな形で表記されることもあります。
柚子と近い品種で適度な酸味と香りがあり、果汁がまつたけの土瓶蒸しや焼き魚などの料理の風味づけによく使われるのは、香りの強い食材に合うためです。
他にも焼酎のソーダ割に果汁を絞るなど、お酒や飲みものに使われたり、そばやそうめん、うどんなどの薬味に使われたりと活用の幅が広がっています。
1960年代以降にはスダチの生産量が大幅に増え、全国で使われるようになりました。
現在は露地栽培とハウス栽培のものがあり、年間を通して流通しています。
一番風味がいいのは9~10月ごろに収穫される露地栽培のもの。
そのころに収穫されたものを一部は貯蔵し、それが3月ごろまで出回ります。
さらに春から夏にかけてはハウスものが流通します。
スダチは熟すと果皮が黄色くなりますが、風味がいいのは濃い緑色のもので、市場に流通しているのはほぼ緑色のものです。
主な生産地は徳島県でシェアは98%。
他には佐賀県、高知県、愛媛県、大阪府などで生産されています。

だいだい(静岡県)

だいだいは中国から日本に伝来し、室町時代後期になって普及したと言われています。
果実が成熟しても木に付いたまま落ちることなく、何代もの実が一緒に1本の木になっていることから、「だいだい」という名前が付きました。
だいだいには2つの種類があり、少し小ぶりで130g~180gぐらいの「回青橙(かいせいとう)」と、少し大きめの200gぐらいの「かぶす(現在のカボスとは別物)」です。
「回青橙」は冬には橙色に色づきますが、温かくなると青くなり、次の冬にはまた橙色になることから名づけられています。
香り豊かですが酸味が強いため、果実のまま食べられることはなく、ぽん酢の材料にされてきました。
また一つの木に代々のだいだいがなり続けることで縁起がいいとされ、お正月のお飾りにも使われるようになりました。
主な生産地は静岡県。
特に熱海ではだいだいの生産が日本一として、さまざまな施策を行いながら、熱海のだいだいをPRしています。
他にも和歌山県や広島県で多く生産されています。

じゃばら(和歌山県)

和歌山県北山村の庭先で古くから栽培されていたものが、昭和40年代に注目され普及してきました。
北山村が村の特産品として普及に力を入れ、少しずつ全国で利用されるようになっています。
じゃばらの由来は「邪」を「払う」からきていると言われており、酸味が強くほんのりとした独特の苦みがあるのが特徴です。
柚子やだいだいなどのように果汁や果皮を利用することが多く、ぽん酢やジュース、料理の香り付け、マーマレードなどに使用されています。
収穫は11月下旬から2月上旬。
主な生産地は和歌山県でシェアは84%です。
他には三重県、愛媛県、静岡県、高知県で生産されています。

直七(高知県)

直七(なおしち)は広島県尾道市田熊で発見され、正式名称は田熊スダチです。
現在は広島県では生産されておらず、主に高知県の幡多郡で栽培されています。
特に宿毛市では昔から食酢として好んで利用されており、「酢みかん」という名称で親しまれている珍しい香酸柑橘です。高知県ではさまざまな香酸柑橘を「酢みかん」と呼んで親しんできたという文化があります。
直七という名前は、魚商人の直七が魚の味をより良くするものとして、魚と一緒に売っていたのが由来と言われています。
香酸柑橘の中でも酸味がまろやかで果汁をたっぷりと含んでおり、ぽん酢やドレッシング、果汁を使ったお酒などが人気です。
特にお酒は、直七の口当たりの良さと希少性が相まって人気となり、酒造会社とコラボして缶チューハイや日本酒、リキュールが販売され、認知度が高まっています。

へべす(宮崎県日向市)

へべすは宮崎県日向市でのみ生産されており、幻の香酸柑橘とも言われています。
江戸時代末期に現在の日向市の山で長曾我部平兵衛により発見されたことから、平兵衛の酢みかんという意味で「平兵衛酢(へべす)」と名付けられました。
最初は長曾我部平兵衛の家の庭先に植えられ栽培されていましたが、その後接ぎ木をし、苗を作り地元の農家に分けるようになったそう。
その後、地元では娘の嫁入りの際にはへべすの木を1本持たせるようになり、多くの家の庭で身近な香酸柑橘として栽培されていきます。
ただ最近でも宮崎県外での流通はごくわずかで、知る人ぞ知る食材です。
独特の爽やかな香りとたっぷりの果汁が魅力で、へべすに魅せられる人が多くいます。
へべすに強い魅力を感じてへべす農家に転身した人もいれば、へべすへの熱い想いからへべすの卸売会社を設立し、東京の吉祥寺でへべすのブームを起こした人も。
宮崎県外ではなかなか触れることがないへべすですが、へべすサワーやへべすハイボールなどのお酒やへべすジュースとして楽しむことができます。

大和橘(奈良県)

大和橘は日本固有種の香酸柑橘で、絶滅危惧種に認定されるほど希少なものです。
萩市に自生しているものは国の天然記念物になっており貴重な香酸柑橘ですが、最近では栽培に尽力している人もいるなど、少しずつ知られてくるようになりました。
第11代垂仁天皇(すいにんてんのう)の勅命を受けた『菓子の祖 田道間守(たじまもり)』がたいへんな苦労の末、常世の国から持ち帰ったとされています。
他にも「古事記」「日本書紀」「万葉集」に登場するなど、古くから存在している大和橘。
すっきりとした香りと苦みが特徴で、お菓子や料理に使われるようになってきました。
皮や絞った果汁を使い、コンフィチュールやタルトを作ったり、鍋に直接入れたりするなど試行錯誤しながら、さまざまな使い方が模索されています。
そのポテンシャルに大きな期待が寄せられている香酸柑橘です。

シークワーサー(沖縄県)

今では知らない人がいないくらいの知名度となった沖縄の香酸柑橘「シークワーサー」。
ミカン科の柑橘で沖縄を中心に自生しています。
標準和名は「ヒラミレモン」ですが、沖縄方言で「シー」はすっぱいもの、「クワースン」は食わせる、食べ物などの意味から「シークワーサー」と呼ばれています。
地域によっても微妙に呼び方が変わり、「シクワサー」「シークヮーサー」「シークワーシャー」などさまざまです。
シークワーサーは琉球諸島や台湾に自生しており、琉球王国最古の歌謡集「おもろさうし」においても言及されているほど、昔から沖縄で親しまれています。
しかしどのようにしてシークワーサーができあがったのかはわかっていませんでした。
2021年に沖縄科学技術大学院大学の研究チームが数万年前にアジア大陸のマンダリン類と非常に特殊な琉球の品種が交配してできたものであることを発見。
はるか昔からあるシークワーサーの誕生の秘密が明らかになりました。
通常は未熟な青いままで収穫されます。
青いシークワーサーは香りと酸味に深みがあり、渋みがアクセントになるので、刺身や焼き魚などと一緒に楽しまれたり、ぽん酢やしょうゆと合わせたり、さまざまな楽しみ方があります。
一方、完熟して黄色くなったシークワーサーは少し大きくなり、酸味が落ち着いて甘みが増すので、まろやかな味わいに。
主な生産地は沖縄県で8月後半から9月にかけて青い状態で収穫されたものが出荷されます。
その他には鹿児島県や和歌山県でも生産されていますが、収穫量はわずかです。

カラマンシー(フィリピン)

カラマンシーはフィリピンや東南アジアで人気のある香酸柑橘です。
シークワーサーの約8倍のビタミンCがあり、フロレチンという成分があることもわかっています。
その栄養価の高さから「奇跡の果実」「神様からの贈り物」と言われ、アンチエイジングや美容、健康、ダイエットにも効果が期待できると人気です。
沖縄では「四季柑(シキカン)」と呼び、輸入した果汁を主にシークワーサーの代用として使っています。
日本では四季を通して結実することから「四季橘(シキキツ)」と呼ばれたり、きんかんに似ていることから「唐金柑(トウキンカン)」と呼ばれたりすることも。
ただ日本では食用としてはほとんど生産されていません。

レモン(広島県・東京都小笠原村)

輸入されたものが多かったレモンですが、最近は国産のものが多く出回りとても人気があります。
生産量が多いのは広島県、愛媛県、和歌山県などです。
また東京都小笠原村では、菊池レモンという品種を生産しており、出荷量が増加しています。
レモンは冬が温暖で夏に降雨が少ない地域が栽培に適しており、日本でも温暖な地域で栽培されていますが、収穫時期が地域によってさまざまです。
5~6月ごろに開花したレモンは、10~11月ごろに収穫した緑色のものをグリーンレモン、12~1月ごろに収穫したものを黄色のレモンとして販売されます。
インドのヒマラヤ地方で誕生したレモンは、明治時代に日本に渡ってきました。
それ以降、日本でもさまざまな場所で栽培されています。
日本でよく栽培されている品種はポルトガル原産の「リスボン」、シチリア原産の「ビラフランカ」、カルフォルニア原産の「ユーレカ」などがあります。
東京都小笠原村で栽培されている菊池レモンは「島レモン(小笠原島レモン)」として出荷されており、12月~3月ごろまで出回る人気の品種。
1940年(昭和15年)に菊池雄二さんによって、テニアン島から八丈島に、さらに1973年(昭和48年)には小笠原の父島に持ち込まれました。
樹上完熟の黄色いものは酸味が穏やかで皮に苦みもないので、皮ごと食べられます。
お菓子やドリンク、サラダやカルパッチョなどに使うのもよいでしょう。
皮が緑色のものは酸味を生かして、料理の風味づけやドリンク、レモン胡椒などに加工するのがおすすめです。

ライム(愛媛県)

独特で爽やかな香りの香酸柑橘として人気のライム。
お酒に加えるのが人気で、ライムを知っている人も多いのではないでしょうか。
香りや酸味を楽しむことができ、ジュースやお酒、料理に添えるなどさまざまな使い方をされています。
原産地はインド北東部からマレーシアあたりとされ、その後ヨーロッパに伝わったそう。
日本では1970年代以降に栽培されるようになり、愛媛県での生産はシェア98%です。
その他には和歌山県や温暖な気候の島しょ部などで少しずつ栽培されています。
国内産ライムは9月下旬~12月上旬ごろに収穫され、1月くらいまでが出荷シーズンです。
ライムには主に小さめの「メキシカンライム」と大きめの「タヒチライム」の2種類があります。

香酸柑橘、それぞれの特長を生かした使い方

香酸柑橘は酸味や苦みがあるため、果肉を食べることはほとんどありません。
しかし果汁の酸味や果皮の香り、苦みを存分に楽しむことができるため、さまざまな料理や飲み物、お菓子、調味料など使い方は無限大です。

定番の使い方は料理に果汁を絞り、酸味と香りで料理を引き立てますが、その時には必ず皮を下にして絞ります。
それによって皮に多く含まれる香りや酸味も一緒に絞れるので味わいが増し、料理が一層引き立ちます。
料理だけではなく香酸柑橘とお酒も人気の組み合わせです。
最近では苦みが取れて味がまろやかになるとビールに香酸柑橘を絞るのが好まれており、スダチ果汁をビールに絞ったスダチビールが人気。
カボスは香酸柑橘の中でも果汁が多く、果汁を凍らせてお酒に入れたり、鍋を食べる時にはぽん酢のかわりにしたり、酢の物を作る時に酢の代わりにしたりと、さまざまな用途で使われています。
また山口県名産の長門ゆずきちはしょうゆとの相性が非常によく、地元ではしょうゆと合わせて酢じょうゆにして常備していたことから、現在はしょうゆなどと合わせてドレッシングとして販売中です。

古くから酢の代わりに使われることが多かった香酸柑橘ですが、現在はお菓子の材料に使われることも増えています。
皮のさわやかな苦みを生かし、ピールにしてチョコレートと混ぜたり、焼き菓子のアクセントに使われたりと、使い方はさまざまです。
最近は果実の状態だけではなく、果汁や加工品としての販売も多くなりました。
香酸柑橘は工夫次第でどんどんアイディアがわく、可能性のある魅力的な食材です。

香酸柑橘を加工して個性を立たせる

現在、香酸柑橘はさまざまな形で販売されており、仕入れもしやすくなってきました。
簡単に取り入れやすく、使いやすいのは香酸柑橘の果汁です。
果汁はそのままお酒と合わせるのがもっとも多い利用方法でしょう。
チューハイ、ハイボールなどは香酸柑橘を味わいやすいお酒ですが、最近はビールに少し加えてまろやかな味わいを楽しむことも増えています。
また果汁にはちみつを加えてレモネード風にしたり、炭酸水で割ってレモンスカッシュ風にしたりするのもおすすめです。
2020年に開催された香酸柑橘サミットで紹介されたのは、牛乳に香酸柑橘の果汁を加えること。
酸味がまろやかになり、ラッシーのような味わいになるそうです。

もっと気軽に使えるのは果物と合わせる方法。
料理に合わせるイメージが強い香酸柑橘ですが、甘みの強い果物と合わせることで果物の本来の甘さをさらに引き立てます。
特に梨や柿に合わせると香酸柑橘の酸味を足すことで、さらに甘みを感じる不思議な味わいを楽しめます。

また、薬味としても使えるのが香酸柑橘の良い所です。
ゆずこしょうは認知度も高くよく使われていますが、その他の香酸柑橘でも同じように皮を細かく刻んで青唐辛子、塩と合わせることで作ることができます。
それぞれの香酸柑橘の風味を楽しむことができるので、ゆずこしょうとはまた違う味わいです。
めずらしい香酸柑橘で香酸柑橘こしょうを作り、おでんや餃子、焼き鳥などさまざまな料理と合わせることで、他のお店との差別化をはかることもできるでしょう。
また調味料で味噌を煮詰めたところに香酸柑橘の皮と果汁を加えて作る香酸柑橘味噌もおすすめです。

キャラクター性豊かな香酸柑橘の使い分けでメニューに鮮度を

※香酸柑橘はメニューにセンスの良いアクセントを加えるヒントになる

POINT!

果汁を使う
果汁とオリーブオイルでマリネする
ピールを使う
果汁をジュレにする
果皮をすり下ろして加える

全国各地のその土地ならではの香酸柑橘は30種類以上あると言われています。

そのどれもが個性的で、希少なものばかり。
この個性や希少性の価値を生かして、香酸柑橘を使うことでお店の差別化をはかるのも一つの方法です。

飲食店で出すデザートに香酸柑橘を使うのも面白いかもしれません。
アイスクリームに香酸柑橘の果汁を少し落としたものや、香酸柑橘の果汁を混ぜたジェラート、ようかんは香酸柑橘の地元では人気です。
また果物に香酸柑橘の果汁を絞れば、さわやかなデザートになります。
それらのデザートをお店のメニューに取り入れてみてはいかがでしょう。

さらに香酸柑橘は栄養成分が豊富なことで知られています。
香酸柑橘の果汁や果皮にはビタミンCやクエン酸、皮には食物繊維などが含まれていることをアピールして、健康志向の方や美肌などを目指している方むけの料理に取り入れる工夫もおすすめです。

香酸柑橘はさまざまな切り口で利用することができ、お店のメニューに取り入れれば個性的で新鮮な感覚を持って受け入れられるでしょう。

まとめ

古くは飛鳥・奈良時代から身近にある各地の香酸柑橘は、いつもそれぞれの地域の家庭の食卓で親しまれてきました。
現在ではその地域の特産品として販売に力を入れている所も多く、珍しい香酸柑橘を手に入れやすくなっています。
日本人は香酸柑橘を楽しむことで、料理やお菓子をよりおいしくすることに取り組んできました。
多くの人が培ってきた香酸柑橘の楽しみ方をぜひお店に取り入れてみてはいかがでしょう。
そうすることで他のお店との違いを出すことができ、お客様に幅広い食の楽しみを提供できます。
ぜひお店で多くの人に香酸柑橘の良さを実感していただき、日本全国においしい香酸柑橘があることを知っていただきたいですね。

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