使い分けで満足度アップ!種類が豊富なイカとタコの仲間たち

日本人はどうしてこんなにイカやタコが好きなんだろう

北極から南極まで、世界中の海に生息するイカは、外洋の深海から中層を回遊しているものが多く、世界中の国々でさまざまに料理され、親しまれている食材です。
刺身や一夜干し、煮物や炒めもの、さらには揚げ物など調理の幅も非常に広く、世界中で愛されるからこそのバリエーション豊かな料理が楽しめる食材です。
一方でタコは、海外では「デビルフィッシュ」の異名を持ち、悪魔の食べ物として忌み嫌う国もありますが、アジアの国々やヨーロッパではスペインやイタリアなどでも身近な食材のひとつとして親しまれています。
タコは岩礁や砂地に生息し柔軟な体を持っていますが、その体のほとんどは筋肉であるため、プリプリとした食感を楽しむことが出来ます。
海外では嫌われることも多いイカやタコですが、日本では美味しい食材として親しまれてきました。刺身や寿司、カルパッチョなどで独特の食感を楽しんだり、時間をかけてやわらかく煮たり、ごはんに炊き込んだりと、楽しみ方もさまざまです。
日本人が大好きなイカやタコにはどんな種類があり、種類ごとにどういう調理法が向いているのかを探っていきましょう。

日本で水揚げされるうちの7割がスルメイカ

イカにはどれくらいの種類があるかご存知でしょうか。
世界中の外洋にはさまざまなイカが生息していますが、その種類はおよそ450種といわれ、日本にはそのうち約140種のイカが生息しています。
食用にされる代表的なものだけでも10種類を超え、その食味の良さから多くの人たちに親しまれているだけでなく、イカの名産地である函館や唐津にはイカに関する資格試験もあるほどです。
多くの種類があるイカですが、スルメイカは日本で水揚げされるイカの中でも漁獲量の割合が高く、刺身や一夜干し、塩辛やスルメなどさまざまな形で食されています。イカは調理する際ほとんど捨てるところも出ず、世界各国で親しまれている分、調理法も数多くあり、刺身や天ぷら、丸焼き、フライ、塩辛、パスタやパエリアなどの具材など、さまざまな料理で親しまれています。
一方タコは世界で約300種が発見されていますが、食用とされるのは5種類と少ないものの、正月料理や半夏生の縁起物として食べる習慣があり、日本人の生活に深く根付いている食材だといえます。
刺身や寿司、酢の物や和え物をはじめ、煮物やおでんの具、炊き込みご飯などに加え、たこ焼きの具材としても広く親しまれています。

イカやタコの人気のポイント

プリプリとした食感

豊かな甘みと旨み

調理方法の多様さ

日本でよく食べられているイカの種類

ホタルイカ

ホタルイカは日本海や駿河湾、相模湾などの深海に生息するホタルイカモドキ科のイカで、オスは約5センチ、メスは5~7センチ程度と小さいのが特徴です。
毎年春になると、富山湾での幻想的な水揚げの様子がテレビなどで報じられるため、春が旬であることを知っている方も多いのではないでしょうか。
ホタルイカはその腕や腹部に発光器をたくさん持つため、青白く光ることからその名が付きました。
水揚げ量は兵庫県が一番多く、次いで富山県となりますが、兵庫県が底引き網で日中漁を行うのに対し、富山県では定置網で夜に水揚げを行うという違いがあり、味や質の点では富山県産の評価が高く、市場でも高値がつくことで知られています。
ホタルイカは傷むのが非常に早く、そのためその多くは水揚げされてからすぐに釜茹でされてから出荷されます。
生のものが出回るのは最盛期の4月頃で、近年では船の上で海水とともにビニールパックに入れられたものが出回るようになっています。
釜茹でにされたものを生姜醤油や酢味噌で食べたり、沖漬けや干物などの珍味として食べるだけでなく、パスタの具材やアヒージョなどでもおいしく楽しむことが出来ます。

ジンドウイカ(ヒイカ)

ジンドウイカは別名をヒイカといい、体長が12センチほどの小さなイカです。
北海道南部以南の全国でとれるイカで、季節ごとの味の変化が少ないため、通年市場に出回っています。
小ぶりでありながらしっかりとした甘みがあり、イカならではの食感も楽しめるため、刺身はもちろん、煮ても焼いてもおいしく食べられます。
油を使った料理にも向いており、唐揚げやフリット、アヒージョなどにも向いています。

スルメイカ(マイカ)

日本で最もたくさん漁獲され、出回っているのがこのスルメイカです。
別名をマイカといいますが、地方によってマツイカやバライカといった呼び名があります。
東シナ海からオホーツク海までの日本周辺の海でとれるイカで、海流に乗って回遊することでも知られています。
比較的大きくなるイカで、30センチほどの大きさまで育ち、1年ほどで寿命を迎えます。
水揚げされた時は体が透明ですが、時間を置くと褐色に変化し、さらに時間が経つと白濁した色味になるので、鮮度を確かめる目安になります。
刺身や寿司などの生食だけでなく、煮ても焼いても、さらに揚げてもおいしく、干物にしても良いこともあり、庶民の生活には欠かせないイカだといえるでしょう。ワタが大きいことから、塩辛にされるのもこのイカです。
スルメイカの旬は夏から秋の間で、夏においしいことから「夏イカ」とも呼ばれています。

ヤリイカ

ヤリイカはその姿形が槍の穂に似ていることからその名前が付きました。
別名をササイカともいい、それもその形から来ているのだといいます。
沖縄、瀬戸内海、北海道東部を除く日本の沿岸でとれ、海底から10メートルほどの水深に群れをなして生息しています。
活イカで有名な佐賀県の呼子で活造りなどに使われているのはこのイカで、コリコリとした食感を楽しむことが出来ます。
ヤリイカの旬は冬から春にかけてで、この時期にとれるヤリイカは子持ちになります。
夏から秋にかけてとれる小ヤリイカもおいしく、和風の煮つけだけでなく、唐揚げやフリット、パスタの具材などにして食べるとおいしく楽しむことが出来ます。

ケンサキイカ

ケンサキイカは日本海側の若狭湾より西、太平洋側は関東より南の温かい海域に住んでいるイカで、ヤリイカよりも身が太く剣のようであることからその名がついたといわれています。
関東ではアカイカ、山陰地方などではシロイカと呼ばれるなど、別の呼び名が多いのも特徴のひとつです。
ケンサキイカは上品な甘みをもつ高級イカとしても知られています。長崎県や島根県で作られている「一番スルメ」はこのイカが原料となります。
水揚げされたばかりの時は白く透明な体をしていますが、時間が経つに連れて徐々に赤みがさし、さらに時間が経つと白くなります。
刺身や湯引きなどの生食のほか、一夜干しにして焼いて食べたり、煮付けや天ぷら、唐揚げや炒め物などさまざまな料理に使うことが出来ます。
ケンサキイカの旬は春から夏にかけてで、子持ちのものを煮付けて食べるとそのおいしさは格別です。
刺身として楽しむのであれば産卵が終わってからの7~9月が良いとされています。

紋甲イカ(カミナリイカ)

紋甲イカはスルメイカやヤリイカなどとは種類が違い、コウイカの一種で、表皮に稲妻のような模様があることから別名をカミナリイカといいます。
房総半島以南の暖かな海に生息しており大きさは20センチ前後、非常に食味の良いことで知られるイカです。
身が厚くてやわらかく、ねっとりとした甘みがあり後味も良いのが特徴です。
スルメイカが主流だったためか、そのおいしさがこれまであまり知られてこなかったイカですが、部位によって食感も違い、1杯でさまざまな料理に使える歩留まりの良いイカでもあります。
特に西日本での人気が高く、刺身や寿司、天ぷらに始まり、煮物や焼き物、中華料理の炒めものなどにしてもそのおいしさを楽しむことが出来ます。
紋甲イカは通年市場に出回っていますが旬は春から夏にかけてで、その時期に産卵のために浅いところへとやってきます。

アオリイカ

イカの中でもっとも美味とされ、もっとも高価な、高級イカの代表格と言えるイカです。大型になることでも知られ、胴の長さが40cmを超えるものもあるほどです。
千葉県以南の太平洋側と山陰地方以西の日本海側で水揚げされ、春から冬にかけてが漁期となっています。
タイプが大きく3つに分かれ、シロイカ型と、シロイカと似た形で赤みを帯びたアカイカ型、シロイカと近いものの12センチ程度にしかならないクワイカ型の3種類があり、シロイカ型がもっとも高値で取引されています。
主に寿司店や高級料理店で使われることが多く、長崎県や島根県などでは一夜干しとして加工される場合もありますが、非常に高価なことでも知られています。
身にしっかりとした厚みがあり、心地よい食感と濃厚な甘みや旨みを感じることが出来、刺身や寿司はもちろん、天ぷらやフライ、煮付け、一夜干しとさまざまな料理法でそのおいしさを楽しむことが出来ます。

日本で食べられているその他のイカ

日本ではこの他にもさまざまなイカが食べられており、これまでにあげたものを含めると13種類のイカが出回っています。
他の6種類には下記のようなものがあります。

・コウイカ(スミイカ)
・アカイカ(ムラサキイカ)
・ソデイカ
・ミミイカ
・シリヤケイカ
・コブシメ

中にはシリヤケイカのように漁が行われるのではなく、個人の釣りなどでとられるものもあり、種類ごとにそれぞれ味わいも違い、その個性を生かした料理もさまざまです。

調理や保存方法の工夫で無駄なく活用を

新鮮なイカは食感もおいしさも素晴らしいですが、冷蔵保存では傷みやすいのが欠点でもあります。
内臓を取り除いて下処理を済ませたものを冷凍保存すれば1ヶ月ほど保管ができ、多少身は固くなりますが、味はほとんど変わらない状態で提供することが可能です。
また、スルメイカなどにはアニサキスが寄生する場合がありますが、マイナス20度以下で24時間以上冷凍することでアニサキスが死滅し、食中毒を防ぐことが出来ます。

日本で食べられているタコの種類

日本で食用として食べられているタコは、基本的にマダコ科に属するタコで、下記のような種類があります。

マダコ

もっとも一般的なタコで、肉厚で歯ごたえがあり、しっかりとした旨みも感じることが出来るタコです。
刺身や寿司、たこ焼きなどに使われるほか、煮物や揚げ物などにも適しています。
産卵に向けて身が充実する6~7月が旬となります。

ミズダコ

世界でもっとも大きくなる食用のタコで、北太平洋に生息しています。
マダコよりも身がやわらかく甘みが強いため、刺身やしゃぶしゃぶなどで食べられることの多い種類です。
旬ははっきりとしないといわれていますが、秋から冬がおいしいとされています。

イイダコ

釣ることが出来るタコの中では一番小さな種類で、1月を過ぎると子を持ち、煮ると米粒のようになる卵が詰まっていることからその名が付きました。
本州以南の浅い海に生息し、古くから底引き網などでとられていたタコのひとつです。
子を持っている冬場が旬の時期とされ、やわらかく煮付けにして食べたり、おでんの具などにするほか、マリネやソテーなどにも向いています。韓国料理では激辛の網焼きがあります。

ヤナギダコ

日本で流通している大型のタコのひとつで、太平洋沿岸、特に北海道近辺でよくとれるタコです。
価格はマダコよりも安く、水分が多いため茹でてもあまり硬くならない特徴があります。
そのまま生で刺身や寿司などにするほか、ゆでダコや蒸しダコ、煮付けにされることが多いタコです。
生で流通することは少なく、蒸したものや茹でたものが市場に出回っています。

テナガダコ

マダコと比べるとあまり大きくならず、大きくても600~700g程度の大きさにしかならないものの、名前の通り脚が長いのが特徴です。
水分が多く旨みが少ないため市場での評価は低く、比較的安価で出回っています。
お隣の国・韓国では生きたまま手足をハサミで切って踊り食いにしたり、鍋料理に入れたり、激辛の炒め物にするなどおなじみのタコのひとつです。
安価で使いやすいので、居酒屋などで韓国風の炒めものを作って提供するのも一計かもしれません。

タコは半夏生に食べる縁起物

日本には立春や春分といった二十四節気という暦がありますが、それとは別に雑節という暦日があるのをご存知でしょうか。
雑節とは季節の移り変わりの目安となるもので、農業を営む人々には二十四節気だけでは十分に季節を読み取るのが難しいため、それを助けるために考えられた暦です。
その中のひとつである半夏生は、梅雨明け間近の7月2日頃を指し、田植えの終わりの季節を示しています。
主に西日本では半夏生の日にタコを食べる習慣があります。
吸盤の付いた8本の力強い足にあやかり、田んぼに植えた苗がしっかりと根付くようにという願いを込めて神様にタコを供えたのがその始まりだといわれています。
また、この時期は田植えが終わり、疲れた体を癒やす養生の時期でもあり、スタミナの付くタコを食べるようになったのではともいわれています。

まとめ

四方を海に囲まれた日本では、さまざまなイカやタコを食べることが出来ますが、種類ごとに味わいや食感が違い、向いている料理もさまざまです。
旬の時期も種類によって違うので、季節ごとに違う種類のイカやタコを選んで使えるだけでなく、シーズンメニューのバリエーションを増やすことも可能です。
上手に使い分けをすることで顧客の満足度も高くなり、仕入の仕方でコストを下げることも出来ると言えるでしょう。
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