メニューによって使い分ける!クルマエビとそのおいしい仲間たち

日本人はどうしてこんなに
エビが大好きなんだろう

海に囲まれた日本では手に入りやすく、また日本人の口に合うエビは、加熱した時のめでたさを感じる色や長寿を象徴する形で縁起物としても好まれています。天ぷらや寿司のような日本食にもエビは欠かせないだけでなく、世界中のさまざまなメニューにも重要な食材として使われています。
そして、食用のエビの中では伊勢海老に次ぐ高級食材として知られるクルマエビは、エビの中で最も美味だといわれる種類です。日本では北海道南部より南にある各地の湾内に生息しており、養殖も盛んに行われています。体を丸めた時にその縞模様が車の車輪に見えることから、クルマエビの名がついたといわれています。
クルマエビとはどんなエビなのか、また、クルマエビと仲間のエビとの違いや、種類ごとに適した料理法などを探っていきましょう。

エビと聞いて、まず思い浮かぶのが
クルマエビ

クルマエビはなぜ日本人に人気が高い?

クルマエビは十脚目クルマエビ科に属するエビの一種で、食用エビの中でも大型になるエビのひとつです。
そのおいしさは「姿イセエビ、味クルマエビ」といわれ、加熱すると増す甘味、香りの良さ、プリプリした食感からさまざまな料理に使われていることはご承知のとおりでしょう。
大きさは15センチ程度のものが一般的ですが、大きなものでは25センチを超えるものもあり、出世魚のように大きさによって呼び名が違うことでも知られています。
クルマエビの旬は天然物が6~8月の夏場で、古くから夏の季語として俳句などにも詠まれてきました。
一方、養殖物は沖縄県や鹿児島県、熊本県といった温暖な地域で盛んに行われています。旬は12月~2月の冬場とされ、正月料理に用いられるだけでなくお歳暮などにも重宝されています。
現在天然物のクルマエビは漁獲量が少なく、出回っているものの8割以上が養殖物になっていますが、問題となるのは鮮度であり、養殖でも味は天然物に劣りません。それでも天然物は珍重され、日本で獲れる最高峰のおいしさを持つエビとして、日本人に好まれているのです。

クルマエビ人気のポイント

甘味と旨味の濃さ

香りの良さ

プリプリとした食感

大きさによって違うクルマエビの呼び名

クルマエビは出世魚のように、そのサイズによって呼び名が変わるエビでもあります。
しかしクルマエビは大きさに関わらず甘みとうまみが強くコクがあるのが特徴なので、大きさによる味の評価は人それぞれ。サイズごとにどのような料理に使うのが適しているかは、店や人によって考え方がさまざまです。

サイマキ

POINT!

10センチ以下で20g以下
多くの天ぷら店で使われているクルマエビがこのサイズです。
武士の腰刀の鞘にかつては刻み目があり、それがクルマエビの縞と似ていたため鞘巻と呼び、鞘巻が転じてサイマキと呼ばれるようになりました。
天然のものは少なくサイズも揃いにくいことから価格も高価で、養殖のものが主に流通しています。

マキ(または中マキ)

POINT!

15センチ程度20~25g
サイマキより大きく、流通量が多いことからサイマキよりも入手が容易です。
寿司ネタや天ぷら、塩焼き、フライなどに使われます。

クルマ

POINT!

20センチ程度30~40g程度
さらに大きなサイズのもので、寿司や天ぷらだけでなく、和洋を問わずに使われます。

オオグルマ

POINT!

20センチ以上
この大きさになると複数回脱皮を繰り返しているため、殻が堅く身がしっかりしています。
養殖物も出回っていますがこのサイズは天然物が多く、価格的にも国産の天然物、活けのオオグルマが最も価格的には高価になります。

天然物と養殖物の見分け方とその特徴

全体の8割以上が養殖物であるクルマエビですが、もちろん天然物も出回っています。
天然物と養殖物の見分け方はそれほど難しくなく、天然物は縞模様がくっきりとしており、体はうっすらと赤身を帯び、尻尾の色も養殖物と比較すると鮮やかなのが特徴です。
養殖物は全体に黒みがかった色合いをしています。
天然物は自然の荒波に揉まれている分身がしまっており、甘みも強いといわれますが、自然環境で食べている餌は個体ごとに違うこともあり、品質にバラつきがあります。
しかしながら天然物は身がしっかりと詰まっており、ゆでた時にきれいな紅白の模様が現れるため、寿司ネタとして使うのであれば、天然物をという店も多いといえます。
ですが、季節によって入荷がまったくないといった場合もあり、安定した仕入れをするのが難しい傾向にあります。
さらに、漁でストレスを受けているため、活けで納品したとしても上がり(死んでいる状態)までの時間が短いというデメリットがあります。
養殖物は清潔で整った衛生環境のもとで育てられることもあり、クセがなく味が一定であり、大きさも同じものが揃った状態で安定して仕入れることが出来ます。
本来旬ではない冬場も入荷が安定しており流通もスムーズなため、湿らせたおがくずの中やいけすなどで数日活かしておくことも可能です。
価格的には天然物よりかなり手頃であるにも関わらず、味の面ではさほど遜色がなく、安定した仕入れと味を求める飲食店にとって魅力的だといえるでしょう。

店に合ったクルマエビを選ぶには

海外から輸入されてくる時に冷凍されて届くことが多いほかのエビと比較すると、クルマエビは鮮度の良い状態で飲食店まで届けることが可能です。
特にクルマエビは生命力が強く、市場では活けの状態で取引が行われるのが一般的です。
クルマエビは海水がない状態でもエラに蓄えた海水で数日生きることが出来るため、海水の蒸発を防ぐためのおがくずの中でも生きることが出来ます。
クルマエビの評価は鮮度で決まるともいわれており、鮮度が良いものであれば養殖物でも天然物を凌ぐおいしさを発揮する場合もあるため、天然かどうかよりもいい状態の活けを選ぶことが良いクルマエビを選ぶコツだと言えるかもしれません。
価格的には天然か養殖かということに加えて、輸入か国産か、活け・上がり・冷凍といった状態で味と価格が変わってくると頭に入れておくと良いでしょう。
また、量をたくさん取り扱うチェーン店などの場合、同じ冷凍ものでも殻や頭のあるなし、背わたを取ったものや筋を切って伸ばし処理を済ませたものなどがあり、使いやすいものを選ぶことも可能です。

クルマエビのおいしい仲間たち

食用のおいしいエビにはクルマエビ以外にもさまざまなものがありますが、大きなエビの多くが十脚目クルマエビ科に属しています。
バナメイエビやブラックタイガー、ホワイトエビなどがその例ですが、クルマエビと比較すると価格も安く、それぞれ食感や食味が違うことから、料理によって使い分けると良いでしょう。
次に、それぞれのエビについて特徴やクルマエビとの違いをまとめてみましょう。

ブラックタイガー

POINT!

別名をウシエビといい、インド太平洋などの熱帯・亜熱帯に生息し、東南アジアで養殖されているエビです。
1980年代に増加した日本のエビ消費を支えるために、台湾から輸入されたのが日本での流通の始まりです。
日本で輸入しているエビの4割がブラックタイガーで、インドネシアやベトナムなどから輸入されており、そのほとんどが冷凍もので、クルマエビのような国産の天然物は存在しません。しかし、冷凍技術の発達で冷凍ものでも生と比べて遜色なく使えるのが便利なポイントです。
クルマエビの仲間の中でもブラックタイガーは大型になるエビで、青黒い縞模様の身をしていますが、火を通すときれいな紅色になります。
身が大きくボリューム感があり、エビフライや天ぷらなどの揚げ物にすると、エビ特有の甘みやプリプリとした食感を楽しむことが出来ます。

バナメイエビ

POINT!

東太平洋原産のエビで別名をシロアシエビといい、比較的小型のものが多く出回っていますが、最大で20センチ程度にまで成長するエビです。
原産地はメキシコやペルーなどの南米ですが、病気に強く狭い面積で数多く養殖できる性質により、現在では世界中の国々で盛んに養殖されています。
日本ではインドネシアやフィリピンなどの東南アジアで養殖されたものが輸入されており、国内では最も流通量が多いエビとして知られています。
生の状態でもやや赤みのさした身はやわらかく、甘みがあるのが特徴です。
ブラックタイガーと比較すると成体になるまでの期間が約半分と早く、面積あたりの養殖数も多く飼育できるため、価格も安いのが魅力です。
バナメイエビはそのやわらかさを生かした料理法に向いており、ゆでてサラダに使ったり、ガーリックシュリンプやアヒージョ、中国料理の炒めものなどにも適しています。こうした料理にブラックタイガーを使用していた場合、バナメイエビに置き換えれば材料費を抑えることも可能です。

ホワイトエビ

POINT!

ホワイトエビは東南アジアでとれるエビの通称で、十脚目クルマエビ科の白っぽいエビのことを指し、特定の種を指すものではありません。
種類でいうとインドエビやコウライエビ、バナナエビなどの白っぽいものがホワイトエビとして流通しています。
ホワイトエビはスリランカやミャンマー、インドなどの国から輸入されており、天然物が多いことから価格も高いのですが、そのおいしさには定評があり、価格が高くても納得の品質です。身はやわらかく強い甘みがあり、天ぷらなどに向いています。

天使の海老

「天使の海老」は商品名で、正式名称をパラダイス・プロンといい、世界屈指の品質を誇ることで知られているブランドエビです。
「天国にいちばん近い島」として知られるフランス領の南の島、ニューカレドニアが原産のエビで、フランスの食品基準であるクオリサート認証を受けています。
大きさは17センチ程度でひげが長く、殻が薄いため殻ごと食べることも出来ます。
身は透明で青みがかっており、天然に近い環境で育っていることから身がしまっているのが特徴です。
厳しい品質管理と衛生管理のもと、美しく広い海で抗生物質などの薬品は一切使わずに育てられ、エビならではの風味と濃厚な甘み、しっかりとしたうまみとコクを楽しめるので、刺身や寿司を一度試してみてほしいエビですが、加熱すると旨味が増すので、天ぷらなどはもちろん、イタリアンやフレンチなどに使ってもソースに負けず、エビ本来の味わいを楽しむことが出来ます。

エビの種類による価格の比較

エビは種類によって価格も違うため、店によっては価格で使うエビを決めることもあるでしょう。
冷凍のエビを例にすると、下記の順番で価格が高くなります。
バナメイエビ<ブラックタイガー≒天使の海老<ホワイトエビ<クルマエビ
クルマエビの場合、天然か養殖か、大きさや鮮度で価格が変わり、天然で大きい活けのものが一番高価になります。店のメニューに合ったエビを探すためには、仕入先の目利きの意見を聞くのが確実な場合もあります。

まとめ

日本で仕入れることのできるエビの中で、味と食感の最高峰ともいえるのがクルマエビです。
これから夏に向けて天然物の旬になりますが、目利きの力を借りることでこれまでよりも良い仕入れができる可能性もあります。
誰もが好むクルマエビの味と食感は、適した料理法を選ぶことだけでなく、仕入れの仕方でそのおいしさを高めることも可能なのです。また、料理によってクルマエビの仲間を使い分けることで、メニューがより印象深いものになったり、場合によってはコストを下げるおkともできたりするようになります。
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