自分の飲食店を持ちたい人必見!飲食店開業に必要な準備を徹底解説

自分の店を持つことは、誰もが一度は夢見たことがあるかもしれません。

最近では、今の仕事を辞めて飲食店を開業する人も増えており、初めての経営で事業を成功させるのは至難の業でもありますが、中には上手く軌道に乗せて成功を収めている人も多くいます。

ですが、以前から飲食店を開業したいと言う思いがあっても、飲食店を開業するには多くの準備をしなければならない為、経営自体が初めてだと分からないことが多く、不安になる方も多いのではないでしょうか?

開業までにやらなければならないことは沢山ありますが、ちゃんとした手順で準備をしていくことで、全くの未経験の方でも飲食店をスムーズに開業することが可能です。

そこで今回は、飲食店開業に必要な準備をご紹介します。

飲食店開業に必要な準備とは?

飲食店を開くことが決まったら、開業に向けて様々な準備をしていきます。

資格の取得から内装工事、さらには保健所への届け出まで、準備をすることが多く大変ですが、1つずつチェックしながら行っていくことで、飲食店を開くのが初めての方でも、スムーズにとりかかることが可能です。

そこで、飲食店開業までに必要な準備を順番にご紹介します。

開業資金を用意する

個人で飲食店を開業する場合、まず必要になる開業資金を調達できそうか確認しておきましょう。

開業資金は、飲食店の規模によって異なりますが、小規模の飲食店の場合だと平均で1,500万ほどの資金が必要になります。

開業資金の内訳には「店舗造作費」、「物件取得費」、「運転資金」などがあり、「店舗造作費」は、内装外装や厨房用品、食器類などの店舗の造作にかかる費用のことで、特に厨房用品はかなりの高額になる為、あらかじめ見積もりをとっておくことが大事です。

「物件取得費」は、物件を契約する際に支払う保証金(敷金)や礼金のことを指し、保証金は物件によって異なるものの一般的に賃料の10か月分が必要となります。

そして、開店してすぐにお店が満員になるとはかぎらないので、家賃や水道光熱費、通信費、人件費等の運転資金(固定費)を計算しておき、固定費を何か月か分準備しておくことも大切です。

自己資金のみでは開業資金が用意できない場合、資金調達を行って資金を集めていきます。

資金調達をするには、日本政策金融公庫や地方銀行、信用金庫などから融資を受ける方法や、親族や知人から借り入れする方法などがあり、それぞれにメリットやデメリットがある為、自分に合った方法で資金を調達しましょう。

必要な資格を取得する

個人で飲食店を持つ際に取得しておきたいのが、食品や防火関連の資格です。

飲食店では「食品衛生責任者」と言う資格を持つ人を、必ず1人置かなければならない決まりがあり、さらに店舗の収容人数が30人以上になる場合は「防火管理者」と言う資格を持つ人も必ず1人置く必要があります。

これらの資格は、お店のオーナーが所有していなければならないと言う決まりは無く、1人の従業員が資格を所有していれば条件を満たしますが、万が一の時の為に、責任者であるオーナー自身が取得しておくと安心です。

「食品衛生責任者」の資格は基本的に講義を1度受講するだけで取得できますが、講習会が実施される都道府県によっては、講習会の最後に簡単な試験がある場合もあります。

「防火管理者」の資格も同様に講習を受講し最後に試験が行われますが、講義をしっかり聞いていれば簡単に解くことができるレベルであることから、合格率はほぼ100%で、受講さえ受ければ誰でも取得可能となっています。

飲食店のジャンル、コンセプトを決める

ここからは本格的な事業計画がスタートし、まずどのようなコンセプトの飲食店にするのか具体的なイメージを決めていきます。

飲食店を開業する上でコンセプトは特に重要になり、方向性を明確に固めていくことでそれを基にメニューや店舗デザインを考えていきます。

曖昧なコンセプトを作ってしまうと目指したい方向性が確立されていない状態で開業してしまい、お客さんもどのような飲食店なのか判断しづらくなることから、どのようなジャンルの料理を提供していくのか、そしてどんなコンセプトの店にしたいのか、頭の中でイメージしながら打ち出していきましょう。

飲食店のコンセプトを考える際に役立つのが「7W2Hの視点」です。

1.「Why」 何のためにその店を開業するのか?
2.「When」 いつまでに開業するのか?
3.「Where」どのエリアに出店するのか?
4.「Who」誰が誰と店舗を開業・運営するのか?
5.「Whom」どのターゲット層を狙うのか?
6.「What」どんなメニューを提供するのか?
7.「Which」どのメニューを目玉にして売り出すのか?
8.「How」どのように店を知ってもらうのか?
9.「Howmuch」開業にどのくらいお金をかけるのか?

「7W2Hの視点」は、飲食店だけでなく様々なビジネスシーンでも活用されており、目的や動機を細分化して考えることで、より明確なコンセプトを作り出すことができます。

また、融資を受けたい場合、「創業計画書」と「事業計画書」を作成しなければなりませんが、これらの計画書には創業する動機を記入する必要があることから、コンセプトを決めておくことで計画書をスムーズに作成できるようになります。

出店するエリアを決める

ある程度コンセプトが固まってきたら、次はお店を出店するエリアを決めていきましょう。

繁盛店を目指すには、出店するエリアや立地選びも特に重要になります。

まず、ターゲット層を多く見込めそうな場所をリサーチして探していきましょう。

学生をターゲットにしたい場合は大学の近くが特に好立地で、ファミリーや主婦層を狙い打ちしたい場合は、駅から近い繁華街や住宅街にほど近いエリアが特に集客が伸びやすい立地となっています。

他にも好立地の条件として挙げられるのが、近隣に競合店が無いことです。

近くに繁盛している競合店がある場合、そのエリアに出店して成功を収めるのはハードルが高いことから、競合店が出店していないエリアを探すのがおすすめです。

物件を探す

出店したいエリアが決まったら、次に飲食店の営業が可能な店舗物件を探します。

飲食店には、通りに面した1階にある店舗を「路面店」、そして、建物の2階以上に位置している店舗のことを「空中店舗」と呼んでおり、路面店は、通りを行き交う人々に目につきやすく、初めてでも気軽に入りやすいことから集客が期待できますが、好立地の物件ほど賃料が高額になる為、売り上げによっては経営が成り立たない場合もあります。

一方で「空中店舗」は、路面店に比べて入店の敷居が高くなることから集客は期待できないもののその分賃料が安くなっており、一度顧客を獲得することで安定して経営することが可能です。

物件を決める際には、メリットやデメリットを考慮して選ぶようにし、さらにジャンルによって向き不向きがあることから、周辺にある競合店などを参考にして、路面店と空中店舗のどちらが向いているのかよく調べておくことも大切です。

ラーメン店やカフェ等の滞在時間が短めな回転型の飲食店は、路面店に出店する方が有利な一方でバーや高級レストラン等の客単価が高く、来店人数を重視しない業態の飲食店は、空中店舗のメリットが高いことから、2階以上に出店することがほとんどです。

さらに、確認しておきたいのが物件のタイプです。

飲食店可の店舗物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」と呼ばれる2つのタイプがあります。

居抜き物件とは、以前の入居者が使用していた内装や設備が残った状態の物件を指し、スケルトン物件は、内装や設備が全くない状態の物件を指します。

居抜き物件は、内装や設備にこだわりが特に無く、工事を低コストで済ませたい場合に向いています。

ですが、物件によってはそのままの内装で利用できず「造作譲渡費」が発生する場合があり、また経年劣化で内装や設備が古くなっている場合は、追加で工事費やクリーニング費がかかる場合もあります。

対してスケルトン物件は、コストがかかるものの内装や設備を自由にカスタマイズできるメリットがあり、こだわりのある内装にしたいと言う場合は、スケルトン物件を選ぶのがおすすめです。

店舗のデザイン、設計をしてもらう

物件が決まったら、店舗のデザインや設計をしてもらいます。

その際には「店舗造作費」を算出するために、事前に見積もりを取るようにしましょう。

店舗デザインは、壁や床や天井などの内装からテーブル、照明などのインテリアまで、様々なデザインを決めていく重要な工程で、どのような空間や雰囲気になるのか把握することができます。

知識があれば自分でデザインを行うこともできますが、知識が無い場合はプロの建築デザイナーに依頼しましょう。

デザイナーに店舗のコンセプトやこんな店造りをしたい等の要望を伝えると後日、それに基づいて作成した完成予想図を提案してくれます。

さらに店舗デザインに加えて、店舗の設計図も作成する必要があります。

設計図を作成するには、設計士と席の配置や厨房、配管と言った店舗の構造を相談しながら決めていき、具体的な設計図を起してもらいます。

施行時には設計図の図面を基に工事用の図面を作ることから、完成した設計図に問題が無いか何度もチェックしてみましょう。

内装・外装工事

店舗デザインと設計図が完成したら、いよいよ内装と外装の工事を始めていきます。

施工会社を探すには、これまでに多くの飲食店の施工を手掛けた実績があり、評判の良い業者を選ぶのがおすすめで、いくつかの業者に見積もりを出し最も条件に合う業者を選ぶことも可能です。

業者によってはデザイン・設計から工事まで一貫して行ってくれたり、さらには内装や外装だけでなく、オプションで家具や照明を製作してくれたりとサービス内容が異なることから、理想のイメージを上手く形にしてくれそうな業者を探してみてください。

メニュー開発をする

工事を行っている間は、提供するメニューを開発しましょう。

メニューを作っていくには、まずメニュー全体の構成を考えることでカテゴリー毎にどのくらいの数のメニューが必要になるのか把握しやすくなり、さらに飲食店の業態に合わせてドリンク類に力を注いだり、デザートの割合を増やしたりと、狙いたいターゲット層のニーズと一致したメニュー構成にしていくことで、売り上げの増加が期待できます。

また、メニュー開発をする上で特に重要になるのが、お店の顔となる主力メニューの開発です。

目玉になるメニューを作ることで新規のお客さんに来店してもらうきっかけになり、そのメニューを気に入ってくれれば顧客になってくれる場合もあります。

主力となるメニューは、他の競合店では見かけないようなオリジナリティのあるメニューほど話題になりやすくなり、さらにSNSで注目を集めそうな見た目のメニューも1つ作るのもよい方法です。

食材・備品を仕入れる

個人で飲食店を経営する場合、料理に使う食材は全て自分で選んで仕入れる必要があります。

まず食材の仕入れ先を選定して行きますが、1つの仕入れ先で全ての食材を仕入れるのは難しく、珍しい食材の場合は、専門的な業者から仕入れる必要があります。

主な仕入れ先には、卸業者以外にも業務用スーパーや市場、小売店などがありますが、近頃、新たな仕入れ先として注目されているのが業務用食材を専門に扱う仕入れECサイトです。

仕入れECサイトでは飲食店向けの業務用食材を取り扱っており、幅広い種類の食材や食品が展開されているので必要なものを全て揃えることができるほか、
どれも相場よりも低価格になっており、コスト削減につなげることもできます。

また、卸業者のような見積もりや交渉と言った手間のかかる取引を行う必要もない為、仕入れの知識がほとんど無い方でもすぐに食材を仕入れることが可能です。

『BtoB eSmart』と言う仕入れECサイトでは、全国各地の生産者や卸、メーカーが多数出店しており、飲食店の定番業務用食材から希少価値の高い食材まで約10万点の商品が展開されています。

使う食材によって味が大きく左右することもある為、食材選びは慎重に行う必要がありますが、『BtoB eSmart』なら検索機能を使うことで食材を簡単に比較でき、欲しい食材を効率的に探すことができます。

さらに、開業日が迫って来たら、食材に加えて飲食店で使用する様々な備品や資材も準備しなければなりません。

必要な備品や資材は飲食店の業態によって異なることから、事前に必要な物を調べておくことも大切です。

食器や箸と言ったお客さんが使用する物から厨房で使う調理用品、さらに伝票や領収書と言った事務用品は、全ての業態の飲食店で必要になり、テイクアウトを実施する場合は、さらにテイクアウト用の資材も用意しておきましょう。

『BtoB eSmart』では、業務用食材に加えて備品や資材も豊富に取り扱っています。

開業時に必要になる備品や資材一式を揃えることができ、1か所からまとめて仕入れることで、誤って2重に発注してしまうと言ったミスを防ぐことができます。

届け出・申請を行う

飲食店を開業する際には、保健所などの各種機関に届け出や申請を行う必要があります。

保健所に提出する「食品営業許可申請」や、税務署に提出する「個人事業主の開業届出書」、消防署に提出する「防火対象設備使用開始届」、「火を使用する設備等の設置届」などの届け出が必要になり、飲食店の業態によって必要な届け出の書類が異なることから、事前に必要になる物を確認しておきましょう。

スタッフを採用・教育する

スタッフを雇用する場合は、オープン予定日の三か月ほど前から募集を開始しましょう。

求人募集をするには、求人サイトに掲載するのが一般的ですが、最近ではSNSを活用して募集する方法もあります。

オープニングスタッフは全員が一からスタートする為、上下関係が無く人間関係を築きやすいことから、募集事項にオープニングスタッフを強調することで応募が集まりやすくなります。

雇用するスタッフが決まったら、ホールスタッフは主に接客、キッチンスタッフの場合、調理方法や盛り付け方法などを教育していきます。

研修期間もスタッフの時給が発生する為、短期間で習得してもらえるように効率的に取り組んでいきましょう。

販促活動

お店のことを多くの人に知ってもらう為に販促活動も行いましょう。

販促方法には、新聞や雑誌に広告を掲載したり、SNSを使って宣伝したりするなどの方法がありますが、特に効果が期待できるのが、チラシの配布です。

近所を回り各住宅のポストに直接投函したり、さらに近隣施設にチラシを置いてもらうようお願いしてみるのもよい方法です。

さらに、チラシにクーポン券を付けることで、集客アップも期待できます。

プレオープン

飲食店を無事にオープンさせるには、正式開業前にプレオープンを行いましょう。

プレオープンは、スタッフのトレーニングを兼ねて行い、経営者はこれまでに教育してきたスタッフ達が上手くオペレーションできているかチェックしていきます。

本番さながらの状態で営業を行うことで、トラブルや問題点が無いか確認することができ、さらにスタッフ達もオープン前に経験を積めるので安心して本番に臨むことができます。

プレオープンでは、一般のお客さんではなく主に身内や取引先などを招待して行い、基本的に無料で食事を振る舞います。

招待客にお店の印象や料理の意見を聞いておくことも大切で、生の声を聞くことで改善点を見つけることもできます。

ここまでに紹介した準備を行うことで、ようやく飲食店をオープンさせることができます。

オープン後も連日慌ただしい日々が続くことになりますが、成功に向けて全身全霊で取り組んでいきましょう。

まとめ

今回は、飲食店開業に必要な準備をご紹介してきました。

開業にこぎ着けるまでにはやることが多く、無事に開業できるまで不安が尽きませんが、自分の店を持つ夢を叶える為には手間を惜しまず、精一杯取り組んで準備していきましょう。

監修者

アートアンドヘルスケア株式会社 代表取締役 森下浩隆(もりしたひろたか)

アートアンドヘルスケア株式会社

代表取締役 森下もりした浩隆ひろたか-Morishita Hirotaka-

『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。